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第37回日本微小循環学会総会を、平成24年3月16日(金)、17日(土)の2日間にわたり、岩手県盛岡市の盛岡グランドホテルにて開催いたします。伝統のある本学会総会の会長を仰せつかり、名誉会員、理事、評議員をはじめとする学会員の皆様に厚く御礼申し上げます。本学会は臨床医学、基礎医学の双方が乗りいれ、理工学系、薬学、生物学の研究者が集い、微小循環を中心とした幅広い討論ができる貴重な学会であると思っております。

今回の学会を第35回の本総会でご指名いただき、第36回の総会終了後、岩手医科大学の移転作業終了時点で準備を開始する予定でおりました。ところが、3月11日に東日本大震災が発生し、移転作業は中断、新しい建物の損傷、被災地での支援作業等が入り、一度はお断りしようかと考えましたところ、末松理事長をはじめ、多くの方々から暖かいお言葉をいただき、実際に準備に入れましたのが7月でした。すべてにおいて例年の学会より準備が遅れておりますことをお詫び申し上げます。

さて、本学会では臨床と基礎との融合を訴えてきていたように思います。常に臨床を見据えた基礎の立場を現在体現しているのが再生医学であると思います。生物の細胞や組織に備わっている再生能力をうまく利用して、障害を受けた組織や臓器を正常な状態に回復させることにより、病気の治癒へ導こうとするのが再生医学であり、このすべての現象に微小循環は重要な役割を持っていることになります。近年、再生医学の概念は多少変わってきているようですが、組織の再生に関わる微小循環を特別講演に組み込ませていただきました。活発な御討論をお願い申し上げます。

14年前、本学会を岩手医科大学でお引き受けいたしました時期より今回は3週間ほど春に近付いているとはいえ、寒さは厳しく、また、年度末でお忙しい時期とは存じますが、本大会の趣旨を御理解のうえ、多数の方々のご参加とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

第37回日本微小循環学会総会
会長 藤村 朗
岩手医科大学 解剖学講座 機能形態学分野教授